今日は短歌を小休止して、今WEB上でもっともあつい歌をご紹介します。

『セクシャル・イーティング』は、石川美南さん、今橋愛さん、永井祐さん、光森裕樹さんの四人が、毎日ご自身の食生活をさらし、毎月ご自分の歌を披露するというなんだかよくわからない企画なのですが、9月の歌が、とにかくあついです。

お互いがお互いの歌に触発されて、突然変異したようにすさまじい歌が出始めた感じといいましょうか。

おそらく若手のなかで今もっとも力のある人たちだと思います。
ぜひ、ごらんください。

あまりにすごいので、
つたないですが、評を書いてみることにしました。


袈裟掛けに斬られる夢を見たあとにボタンを一つずつ外した

曇天にホワイトボードを掲げつつ理想主義者であると言うひと

子供のうちに見ておきなさいドーナツの黒い穴から覗く世界を

われあまやかな口語を嫌い片思いなどという題で歌は作らず

うたびとよしずかに箱に身を沈め湯があふれ出てくるまでを待て

ゆうやみに終戦を告ぐ灯のごとくひかりおり昭和シェル石油の貝

この朝の誤配のごとき雨のなか 来よ しずかなるメイルマンたち

太陽はメデューサの眼を開きしか にわかに雲の影退きぬ

花びらが花を剥がれるせつなさにニュースは死去を告げ始めたり

半島に雪しんしんと降りにけりやがて死にゆく帝国である

蜻蛉の羽いたずらに毟るなよ天から降ってくるぞどばどば

わが舌がふとくらやみに放ちたり衛星国家という響きを

やや薄きカーテンを買いて帰りしがさびしくて深夜まで撫でて居つ


       −浦和レッズ―
飛田給駅に行かばや紅の旗振る群れのひとりとなりて


白鴎よかつて滅びし海路よりうすぐらき地図を持ち帰り来よ

向日葵は一気に黄を満たしたり地霊の変化したるがごとく

ルビ:黄(きぃ)

あわれこの新内閣も朝霜のバランスボールに乗りて危うし

川べりをかすかに揺らし風は過ぐ誰を殺めて過ぐ風なのか

記号短歌でいいんじゃないのピカピリキピカラピトペキ秋雨頻り

競馬場は楕円の墓所であるがゆえ鉄塔はみな錆びて立ちたり

メトロン星の緋の毒薬はあらぬかとピースの底を覗き見て居つ


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