2014年04月 | ダストテイル-短歌と散文のブログ-

2014年04月

山崎聡子さん、『手のひらの花火』

山崎聡子さんの『手のひらの花火』について感想をまた喋りましたのでブログでご報告させていただきます。
ご視聴いただければ幸いです。



【取り上げた歌】

飛び込み台番号(7)のうえに立ち塩素の玉のきらめき見てる

死ぬときはプールの匂いを纏いたい「タイルをみっつとったらおわり」

塩素剤くちに含んですぐに吐く。遊びなれてもすこし怖いね。

制服にセロハンテープを光らせて(驟雨)いつまで私、わらうの

いくつもの名前を呼んで私から遠ざかりゆく放課後の窓

シングルのベッドで深爪競い合うことを幸福のたとえのように

ゲームセンターの青い光のなかにいて綺麗なままで死ぬことを言う

五円玉 夜中のゲームセンターで春はとっても遠いとおもう  永井祐『日本の中でたのしく暮らす』 (光森裕樹さんの発言より引用)




【取り上げた歌】

ほおずきを口のなかから取り出せばいのちを吐いたように苦しい

中学で死んだ高山君のことを思うときこれが記憶の速度と思う

排卵日小雨のように訪れて手帳のすみにたましいと書く

ルームメートの朝の祈りよレバノンをピンクで塗りつぶした世界地図

パークロード道なりにゆきそれはそれは遠い陽炎のように歩めり

あまやかに噛み砕かれたる芽キャベツのなんてきれいな週末だろう

染みだらけのコートに体を包んだらひとり明け方の線路を辿ろう

息が夜に溶けだしそうで手で覆う映画を生きてそして死にたい

電車って燃えつきながら走るから見送るだけで今日はいいんだ
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秋月祐一さん、「迷子のカピバラ」



秋月祐一さんの歌集について感想を喋りました。
ご視聴いただければ幸いです。


秋月祐一歌集について(1)



【取り上げた歌】
味の決めては火を止めたあとにひとしづく落としたならずものの涙ね

修正液が乾くのを待つひとときに声だけ思ひだしてゐるひと

借りるビデオも決まらないまま語りあふギズモの耳の唐揚の味

江國香織の小説めいた夕暮れのグレープフルーツジュースの苦さ

眠れない夜にきみから教はつた世界でいちばん長い駅の名





秋月祐一歌集について(2)

【取り上げた歌】
ひとつづつ交互に食べるたけのこの里よ 始発はまだまだ来ない

相手より長生きしようおたがひに(お化けは死なない)約束しよう

笑ひながら生きてゆかうよ雪の日にでつかい塩のジェラート舐めて

「生涯にいちどだけ全速力でまはる日がある」観覧車(談)

でぐでぐと食べてでぐでぐ輪をまはしでぐでぐと寝るデグーの日々は

ふむぐうと抱きついてくる無表情 これは淋しいときの「ふむぐう」

LOMO・HOLGA・CAMEHA8M(ロモ・ホルガ・スメハチ)なんかを脇によせ夕餉のためのスペースつくる

岸原さやさん、『声、あるいは、音のような』

ブログの方法を変えました。
書くのではなく、語りかけるという方法でこれから感想を続けて頂きたいと思います。

ツイートキャスティング放送をつかって、歌集の感想を述べていきます。
よろしくお願い致します。


ツイートキャスティングを始めた理由


【取り上げた歌】
ざりがにの眠りを見たの横むきに浮いて眠るの深夜の水槽

遠い夏くすりの糖衣舐めました 苦いところに届くすれすれ


岸原さやさん(1)



【取り上げた歌】
ゆびさきを針でつつけばさらさらの血がうつくしく見とれてしまう

わたくしの輪郭はもううすい繭 ひかりに透けて風にころがる

かなしみがかなしくなくてくるしみもくるしくなくて熱だけのある

いのちってこんなにかるい水鳥の羽毛の下でまぶた閉じれば

手をひたし水の想いで目をとじる 澄んでゆきたい 澄んでゆきたい

美しい音符さらさら描くように医師がカルテに記す家系図

ていねいに消した火があるふたりして熾し両手をかざしたあの火

横向きに坂をころがる枯れ草の匂い確かな夢の手ざわり


(オープニング)

岸原さやさん(2)



【取り上げた歌】
なめらかに上衣は墜ちるかささぎの渡せる橋をくぐる流れに

むらさめ、とつぶやく。カフェの二階からやわらかく煙らせる 村雨
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